事業用物件を貸すとき、契約書には借主がその物件で何をするかという使用目的を記載します。この使用目的の定め方によって、募集のしやすさが変わります。営める業種の範囲をどこまで絞るかによって、契約後のトラブルの起こりやすさも変わります。条件を決める前に、まず考え方の順番を整理しておくことが大切です。
使用目的や業種は契約でどう定めるか
賃貸借契約書には、物件を何の用途で使用するかを示す使用目的の条項を設けます。業種を「飲食店」「物販店」のように具体的に記載する方法もあれば、「物販・サービス業の店舗」のように幅を持たせた記載にする方法もあります。どこまで具体的に定めるかは、物件の特性や想定する借主によって変わります。募集を始める前に方針を決めておく必要があります。
業種の制限を付ける理由
業種を制限する背景にはいくつかの理由があります。建物の構造や設備が特定の用途に適さない場合があること、近隣や同じ建物の他テナントへの影響を避けたい場合があることなどです。臭いの出る業種や音や営業時間が周囲と合わない業種が入ると、他のテナントとの関係が悪化することがあります。制限にはこれを防ぐ目的もあります。こうした懸念がある物件では、あらかじめ使用目的を絞っておくことが有効です。
制限を付けすぎたときに起こること
業種の制限を細かく付けすぎると、募集できる借主の幅が狭くなります。空室の期間が長引く原因になることもあります。本当に避けたい業種だけを絞り、それ以外は借主の提案を聞いたうえで個別に判断する余地を残しておく進め方もあります。制限の範囲は、物件の立地や建物の状況に合わせて必要な分だけにとどめます。そうした視点が役立ちます。
業種変更や転貸の承諾をどう扱うか
契約後に借主が業種を変更したい場合や、物件の一部を別の事業者に貸したいという転貸の相談が来る場合もあります。変更をどこまで認めるかと承諾の手順を契約書であらかじめ定めておくと、契約期間中のやり取りがスムーズになります。承諾の判断基準や手続きの法的な扱いについてはとし、契約書を作成する段階で確認しておくことをおすすめします。
条件の決め方の順番
条件を決めるときは三つの順番で考えるとよいでしょう。まず建物や近隣の事情から避けたい業種があるかを洗い出します。次にその範囲を契約書の使用目的にどう落とし込むかを考え、最後に業種変更や転貸の扱いを整理します。この順番で進めると必要以上に範囲を狭めずに済みます。押さえるべき点だけを条件に反映しやすくなります。
ハコツギでご相談いただけること
使用目的の定め方や業種制限の範囲について、物件の特性に合わせた考え方をご相談いただけます。契約書の具体的な条項や法的な妥当性については、契約前に専門家へ確認することをあわせておすすめします。