後を継ぐ人がいない、体力的に続けるのが難しくなってきたなど、廃業が頭をよぎる理由はさまざまです。ただ、廃業を決める前に「建物」と「事業」を分けて考えてみると、思っていたより選べる道が多いことに気づく場合があります。
建物と事業は、別々に動かせる
長く営業を続けていると、建物と事業がひとつのものに感じられてきますが、実際には別々に扱うことができます。建物は売る・貸すという選択肢があり、事業は従業員や常連、取引先との関係、仕入れの仕組みなど、営業そのものを誰かに引き継いでもらうという選択肢があります。建物を手放しても事業は別の場所で続けられる場合がありますし、反対に建物は残したまま事業だけを引き継いでもらうことも可能です。両方をセットで譲る方法もあります。先に「廃業」と決めてしまう前に、この2つを分けて検討してみる価値があります。
誰が引き継げるか、候補を広げて考える
事業を引き継ぐ相手というと、子や親族をまず思い浮かべる方が多いですが、親族に後継者がいない場合は、長く働いてきた従業員への承継や、同業者・異業種からの第三者承継という道もあります。第三者に引き継いでもらう場合は、社名や詳しい事業内容を伏せたまま関心のある相手を探し、関心を持った相手との間で秘密保持の取り決めを結んでから、詳しい情報を開示していくという進め方が一般的です。早い段階で噂が広がると、従業員の離職や取引先の不安につながることがあるため、情報の出し方には注意が必要です。
まず現状を数字で把握する
建物の価値や、事業としてどの程度の収益を生んでいるかを、数字で把握しておくと、その後の判断がしやすくなります。建物だけの価値、事業を含めた価値、それぞれの目安を知っておくことで、売る・貸す・事業ごと譲るのどれが自分にとって現実的かが見えてきます。
誰にも話していない段階でも、相談先はある
家族や従業員、取引先に話す前に、まず第三者に状況を整理してもらいたいという方は少なくありません。そうした段階でも、名前を伏せたまま相談できる窓口を利用することができます。建物の価値と、事業として引き継いでもらえる可能性の両方を、同時に確認しておくと、その後の判断がしやすくなります。
時間がかかることを前提に動く
事業を引き継いでくれる相手を探すのも、建物の買い手・借り手を探すのも、一定の時間がかかります。体力や気力に余裕があるうちに動き始めておくと、選べる相手の幅も広がります。反対に、廃業を決めてから慌てて動き出すと、条件面で不利になったり、選択肢が限られてしまったりすることがあります。
体力・気力があるうちに動く理由
廃業を考えはじめる段階では、まだ日々の営業に追われていることがほとんどです。そのため「今は動けない」「落ち着いたら考える」と先延ばしにしてしまいがちですが、体力や気力に余裕があるうちのほうが、引き継ぎ先との面談や資料の整理、引き継ぎ期間中の引き継ぎ作業にも丁寧に向き合うことができます。追い込まれてから動き出すよりも、早めに情報を整理しておくことが、結果として自分にとっても引き継ぐ相手にとっても良い形につながります。
税金・法律に関わる判断は専門家へ
廃業や事業承継には、税務上の扱いや契約上の注意点など、専門的な判断が必要な場面が出てきます。具体的な税額や契約内容の確認は、税理士・司法書士など専門家への確認をおすすめします。
ハコツギでご相談いただけること
建物をどうするかという相談と、事業を引き継いでもらう相手探しの相談を、どちらも受けています。まだ誰にも話していない段階でも、名前を伏せたままご相談いただけます。税務・法務の具体的な判断は、専門家への確認もあわせておすすめします。