飲食店の物件探しでは立地や広さに目が向きがちです。けれども開業できるかどうかを左右するのは、建物に備わった設備です。前の店の設備が残る居抜き物件でも、業態が変われば必要な容量や経路も変わります。内見ではあとから変えにくい設備から順に確かめると、判断が早くなります。
排気は経路と出口を見る
厨房の煙やにおいを外へ出す排気は、いちばん変えにくい設備です。ダクトが屋外までどの経路を通っているかを確かめます。排気口が隣の建物や住まいに近いと、においの苦情につながるおそれがあります。焼き物や揚げ物の多い業態ほど、排気の力と出口の位置が大切になります。ダクトを新しく通す工事や外壁に穴を開ける工事には貸主の承諾が要ります。工事ができる範囲を内見の時点で聞いておくと安心です。
給排水はグリストラップと床の勾配を見る
給水管の太さが、使う予定の機器や水の量に足りるかを確かめます。排水は、厨房の床から排水管へ水が流れる勾配がとれているかが要点です。油を使う業態では、油を含む排水をためて分ける装置(グリストラップ)が必要になります。設置済みかどうかと置き場所の有無を見ておきます。配管の引き直しは床を壊す工事になることがあるため、早めに把握しておくと計画が立てやすくなります。
電気とガスは容量を見る
厨房機器の種類と台数によって、必要な電気の容量は変わります。分電盤で契約している容量と業務用の動力の有無を確かめます。写真を撮っておくと業者に相談するときに役立ちます。容量を増やせるかどうかは建物全体の受電設備に左右されます。増設には貸主の承諾と電力会社への申し込みが要るため、費用と期間の見積りを早めに業者へ依頼しておきます。
ガスは都市ガスかプロパンガスかで、使える機器や燃料費の考え方が変わります。業務用のコンロを何台も使う場合は、ガスメーターの容量が足りるかも確かめます。プロパンガスなら、ガス会社の名前と設備の持ち主もあわせて聞いておきます。
居抜きの設備は持ち主と状態を確かめる
居抜き物件に残る設備は、使えるかどうかを一つずつ確かめます。動くかどうかに加えて誰の持ち物かも見ておきます。リース契約中の機器や前の借主の持ち物が混ざっていることがあるためです。引き継ぐ設備と撤去する設備を一覧にして、貸主と書面で確認しておくと後のもめごとを防げます。
許可と届け出は工事の前に確かめる
飲食店の営業には保健所の許可が要り、手洗い場やシンクの数などの設備の基準があります。内装や厨房の工事では、消防への届け出が要る場合もあります。工事が終わってから基準に合わないと分かると、やり直しになります。図面の段階で保健所と消防署に相談しておくと手戻りを防げます。
ハコツギでご相談いただけること
希望する業態に合う設備を備えた物件探しと、内見で気になった設備についての貸主への確認をお手伝いしています。保健所の許可・消防の届け出・設備工事の内容は、所轄の窓口や工事業者にもあわせてご確認ください。