「売ったほうがいいのか、貸したほうがいいのか」は、物件を手放す・活かすご相談の中でもっとも多い迷いのひとつです。どちらが正解ということはなく、手元に残るお金の形と、その後にかかる手間という2つの軸で比べると、自分に合う答えが見えやすくなります。
手元に残るお金の形が違う
売却は、まとまった代金を一度に受け取る方法です。相続税の納税資金が必要な場合や、他の事業・物件への投資に資金を回したい場合など、まとまった資金をすぐに使いたい事情があるときに向いています。一方、賃貸は毎月の家賃という形で、時間をかけて収入を得ていく方法です。所有権は残るため、将来的に自分や親族が使う可能性を残しておきたい場合にも向いています。どちらの金額が大きくなるかは、立地や建物の状態、周辺の賃料相場によって変わるため、両方の目安を知ったうえで比べることをおすすめします。
その後にかかる手間が違う
売却は、契約と引渡しが終われば、その後の管理の手間はなくなります。反対に賃貸は、借り手が決まった後も、建物の維持管理や、契約更新・トラブル対応などの手間が継続して発生します。管理を委託する方法もありますが、その分の費用がかかります。「手放してすっきりしたい」のか、「手間をかけてでも資産として持ち続けたい」のかという、気持ちの面での向き不向きも判断材料になります。
一部だけ売る・貸すという考え方もある
建物や土地の全部を一度に決める必要はなく、一部の区画だけを先に貸し出し、残りは様子を見ながら後で決める、という進め方もあります。土地の一部を分けて売る、建物の一部の階だけを貸すといった形も、物件の条件によっては可能です。全部か一部か、という切り分け方も、売るか貸すかと合わせて検討する価値があります。
空室・買い手がつかないリスクも比べる
貸す場合は、借り手が決まるまでの空室期間の家賃収入がない、というリスクがあります。売る場合も、条件によっては買い手が見つかるまでに時間がかかることがあります。どちらにもリスクがあることを前提に、自分がどこまでそのリスクを受け入れられるかを考えておくと、判断がしやすくなります。
迷ったときに自分に聞いてみたい質問
「今すぐまとまった資金が必要か」「将来、自分や家族がこの場所を使う可能性はあるか」「管理の手間を自分でかけられるか、委託する費用をかけられるか」の3つを自分に問いかけてみると、答えが見えてくることがあります。どれも答えが出ない場合は、無理に今決めなくても、まずは両方の目安となる金額を知っておくところから始めても構いません。
家族との話し合いのタイミング
売るか貸すかは、自分一人で決める場合もあれば、家族や共有名義の親族と話し合って決める場合もあります。金額の目安がまったくない状態で話し合うよりも、売った場合・貸した場合、それぞれのおおまかな目安を先に把握してから話し合ったほうが、建設的な議論になりやすいという傾向があります。
居抜きで貸す・譲るという中間の選択肢
売る・貸すのほかに、設備を残した状態で居抜きのまま貸す、あるいは事業ごと譲るという選択肢もあります。解体の費用をかけずに次の使い手へつなげる場合があり、売る・貸すで迷っている方にとって、検討する価値のある選択肢です。
ハコツギでご相談いただけること
売るか貸すか、どちらが合うかを一緒に比べるご相談を受けています。金額の目安は周辺の事例とご希望の両方から幅でお伝えします。税金の扱いなど専門的な判断が必要な部分は、税理士への確認もあわせておすすめします。